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第89回 二科展

二科展@福岡市美術館に行ってきました。
どのようなものかわかんないままに行ったのですが、楽しんできました。
帰ってきちんと二科展の勉強。

二科展は、二科会により執り行われております。
その歴史は古く、明治後期ごろ行われていた文部省展覧会の中、
日本画の審査方法を一科、二科と分けてやっていたのを、
洋画でも取り入れて審査しようとしていたところ、時期尚早として却下。
それに対立する形で、気鋭の洋画家達が、
1914年に新しい美術の確立を目的に文部省展覧会から分離して、
在野の美術団体として『二科会』が結成されるに至ったものでした。

二科会の趣旨は下の文章からも明快です。

「二十世紀の初頭から常に時代の最前線を歩いてきた二科会は発足以来、
永い歴史が語るように一貫した伝統精神で現代を認識する徹底性に於て一流一派式に会の方向を限定する態度を採らない。

このことは、新しい価値の創造に向かって不断の発展を期する本会必然の信条であると共に、全会員に対する制作上の自由をあくまで擁護するゆえんである。

流派の如何を問わず、新しい価値の創造者は抜擢され待遇されるであろう。
かくて本会を新しい美の温床たらしめようとする努力は我々の不変の鉄則である。

我々は常に世界的視野に於ける新しい価値の創造者として、
清新溌溂たる歩みを続けるであろう。」(二科展HPより


常に留まらず、奢らない芸術に対する姿勢で、しかして芸術を擁護する社団法人です。
ちなみに、毎年東京都美術館、上野の森美術館で開催。
その後全国ツアーされるんですね。
公募制なんですが、会員だったりそうでなかったり。
そこら辺の仕組みはいまいちわかりません。


現在は芸術部、彫刻部、写真部、デザイン部の四部門の作品が出展されています。


で、二科展。二科展。

非常に刺激を受けました。
上手いのも正直下手なのもある。
下手って言うのはこの場合、琴線に触れるところがないということですが・・・。
油絵で、しかも抽象性の強いものになればなるほど、色の重要性というものが
強く感じられます。
あと、バランス感覚と、どこまで抽象化かつ、シンプル化ができるのか。
実際に賞を受けるほどの絵画は見たらわかります。
モチーフに対する抽象化が絶妙だから。


小さい頃、父に絵を習っていた頃、絵の輪郭に反対色を使うことを習った。
つまり、森を描く時、木と木の輪郭は赤で表現するということである。
それで絶妙なバランスと生命力が生まれるのであるから不思議である。
今回は、その「反対色」をどのように使っているかをデザインでは見た。

たとえば、風景がひとつ描くにしても、テーマカラーをひとつに絞るにしても、
それをそのまま描き移してはいけない。
無数に見えるはずのない、しかし存在感の色のある反対色を使えるかは、
その絵画のレベルを大きく変えてしまう。
非常にそれを実感させられた。

青と黄色をテーマカラーにすれば、自然と美しいといわれる静寂さは生まれる。
緑と茶色をテーマにすれば、同じく自然さは生まれる。
原色を使えばアバンギャルドにはできる。
既存のイメージというものは、このように再現可能な色あわせだ。
つまり、ありきたりは誰にでも作り出すことができるのである。

恋人達の抱擁を大きく、一瞬何だかわからないくらいの暗い影で覆い、
青を使いデザインを加えた絵は、
私の一番のお気に入りでもある。
抱擁で青を使うというのはなかなかできない。
メインを一瞬なんだかわからないような影にすることもなかなかできない。

ひどくシンプル。
しかし、絶妙な色の割合、バランス。
そういうものは、その絵を置く場所さえも浮かんでくるぐらい素敵だ。


あと、私が好きだったのは写真部。
写真は、写すものは同じでも、角度、時間、場所、フィルム、技法、それだけで変わってくる。
興味深い、面白い写真が数多あって、思わず噴き出してしまった。

どの芸術にもいえるが、やはり前にも言ったと思うが、
どれだけ「生と死」の真実を切り取れるかが重要なのだと思う。
良いと思ったものは、やはり、何らかの訴えかけるものがあった。


次は二紀展、日展が福岡ではあります。
院展も北九州でやっているんだけどねぇ。遠いなぁ。日本画見たいです。。。
by chihiro_1984_20xx | 2005-02-08 23:40 | 芸術(舞台・絵画など)