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蒲団・重右衛門の最後/田山花袋

蒲団・重右衛門の最後
田山 花袋 / 新潮社
ISBN : 4101079013
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自然主義の小説家。よく考えたら、これで二冊目です。
前に読んだのは島崎藤村「破戒」@中学3年生。
(読んだかどうか試験が出た。自己最高98点だった)

今回蒲団を読んで、やっぱり思った。
あぁ、私に(日本の)自然主義は向いていないと。
同属嫌悪なのでしょうな。

田山花袋の文章は、
固有名詞に対する捉え方、扱い方が今風だと感じました。
固有名詞がファッションとして扱われてる感じ。

「作者・田山花袋は
乗り越えるべき問題意識も何もなく、
ただ「文学者」である自分自身に酔っているだけで、
文中で出てくる海外文学も、身近な手遊びの詩も
同じ軽さを持って扱っているに過ぎない。」

とか何だとか、解説には書かれていました。ここまで批判した解説も初めてだ。

しかし、衝撃的です。
自分がいかに「文学者」であろうとしても、
「文学青年」で終わってしまったものの悲劇ってどうなんだろう。
自分自身でそれに気がついちゃっていたとしたらどうなんだろう。
想像を絶する絶望だろうなぁと思います。

あぁ、でも、解説の通りに解釈すると、
現代は「文学少年少女」だらけですねそういえば。「偽批評家」も多いな。
そして私自身は、
自分自身が求めているのは「芸術家としてのストイックさ、貪欲さ」ではなく、
「芸術家のような奔放な生活なんだ」という点に、
解説で気がつかされショック。そうね、その通りね。
何だって、気がつかないうちは平穏だけど、
知れば知るほどに知らなくていいことも一緒に知っていっちゃうもんですね。

「重右衛門の最後」はなかなか秀逸でした。
丁寧に描かれている感じだったし、着眼点が的確でよかったと思います。
「蒲団」は、確かに文章は綺麗で、匂い立つようなエロチックさがあったけど、
やっぱり陰気でウジウジ愚図愚図した感じがあったなぁ、と思います。


まぁ、読みやすいですし、よくわかんない流行物よりは良いのではないかと。
よろしければ是非。
by chihiro_1984_20xx | 2006-03-17 17:52 | 読書