のらりくらりと結婚準備ブログ&食いしん坊な日常。


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奴婢訓@福岡市民会館

うわぁ、すごいもの見た。

寺山修司の代表作。これを見ずして寺山を語れないと冠された作品だそうです。
ストーリーが進むというよりは、ひとつのテーマが場を変えながら表現されている形式。

「たった一人の主人の不在によって巻き起こる奴婢達の狂乱」がこの舞台の表テーマ。
あるお屋敷の主人の不在時。
主人の靴を履いたものが主人の椅子に座ることを許され、
他の奴婢たちを使うことを許される。
そんなゲームを、奴婢らは続ける。
あるものは他の奴婢を犬のように扱い、
あるものは奴婢らが自ら下した命令の造反をする様を見て愉しむ。
あるものは、エロチックな罰を与え、
あるものは、ご主人様の位置に固執する。

そんな、様々な場面を、暗く深い舞台で見せ付けられました。

開場からしてびっくり。
演出の都合上、開演時間になってようやく一斉にお客を入れる。
舞台上には拷問道具に白塗りの役者が肉体労働を緩慢な動きで行っている。

ある程度、着席が済んだところで、急に始まる舞台。
非常灯すら消して、真っ暗闇の中に投げ出される私。
ブラックホールに吸い込まれるかのような音楽で、舞台に吸い寄せられる。
肌が粟立ちました。

演劇集団万有引力のすごいところは、圧倒的な肉体能力。
半裸の役者さんたちが、
犬になり、ワイヤーで吊るされてアクロバチックな体勢で台詞をこなしたり。
そして一人一人の動きに無駄がない。
そりゃあもう、素敵でした。

演出も、五感を総て総動員させるもの。
暗闇の中で使われたマッチ。一つだったり、全員が灯したり・・・。
圧巻でした。
そして香ってくるマッチの燃える香り。ぞくっとしました。
また、中世の倒錯的な拷問器具も、ラストの最後の晩餐のような長机も、
主人の椅子も、登場人物の白塗りも半裸も、
暗く、でも、淫靡さが香ってくるようなつくりで、あぁ、これが寺山の「天井桟敷」なのだ。
と、「感じ」ました。

さて、この舞台で私が感じた「裏テーマ」。

「人間は、何かに支配されているのではないだろうか。それを描き出しているのではないか」

ラストの方での台詞でこの裏テーマを感じたことが間違いではなかったことを
確信するに至りました。

「主人が居ないことが不幸なのではなく、主人を必要とすることが不幸なのだ。」

人間は何者かを中心に置いてその周りを動かされている。
そして、その中心は常に不在のモノであり、
その不在は自分にとって都合のいいものなのである。
この舞台で言う、「主人」。人間にとっての、「神」や「絶対」、「価値観」。

中心があって、その周りを回っていることが不幸なのではない。
その輪の中にいないと、輪の中心を求めないと、存在できないことこそが愚かなのだ。

言葉で納得させるのではない。
舞台で、目で、心で納得させる。
舞台は演る者の魂と見る者の魂の共鳴。
そして、寺山修司はその中に人間の抱える命題を突きつけてくるから、
その偉大さに感服する。

この舞台を見て感じた。
自分自身はどうだろう。

そんな風に考えてみると、
社会自体がこの大きな「中心」であると、
その中心にいつしか隷属することを恐れていたことを再確認した。
そして、とりあえずで就職活動したけれども、有名な会社や、
自分の興味がない会社をことごとく切り捨てたのは、
「中心」に引付けられないようにしていたのかもしれないと、なんとなく自分で納得した。


やはり、舞台の持つ魔力はすごい。
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by chihiro_1984_20xx | 2005-06-04 22:53 | 芸術(舞台・絵画など)